2023年02月25日

『ディバイドバトル2ndセッション 九州エリア』大会レポート

2023年2月5日、自然と体が縮こまる薄暗い冬の朝、祇園駅から徒歩2分、福岡ファッションビルに精鋭たちが集結し、ディバイドバトル2ndセッション九州エリア福岡会場が開催された。
 
会場に入ると、空気は和やかでありながらも静かに燃える闘志が伝わる。そんな空間を目の当たりにし、先ほどまで感じていた寒さはとうの昔のことのように思えた。

今回はファンミーティングで開催された128人トーナメントから、わずか1週間後のエリア大会。
新顔はどのような影響を与えるのだろうか。また、前エリア大会でのデッキたちはこの2ヶ月の間でどのような進化を遂げたのだろうか。
さまざまな状況を出場者たちはどこまで予想し、どこまで対策したのだろうか。その答えがこれから目の前で繰り広げられる。

テリトリー分布

 それではまず、参加者全体のテリトリー分布からご紹介しよう。

ほぼ均等と言ってよい使用率が並ぶ中、頭一つ分だけ抜きんでたテリトリーは「レベッカ/地下武装庫 アーセナルフォート」であった。
前回大会と比較すると、「アイオラ/重装拠点 バルバビロン」や「奪略の聖骸 サルワスール」あたりの使用率が伸びているのが印象的だ。
では次に、会場内で筆者が印象に残ったカードをいくつか見ていこう。

注目カード

 

「新進機鋭 エイラ」
スターティングデッキ「危険遊戯の冒険者」に収録されているユニットで、今回最も大きく使用率を伸ばしたカードであった。
開放前から4500あり、最序盤での盤面を作りやすいのも魅力の一つと言えるだろう。

「ランプの魔人 ジニー」
同じく強力なショットユニット、「獣爪の赤頭巾 ペローナ」のほうが目立ちがちではあるものの、総合的な使用デッキ数という点では微差ながらジニーのほうが上という結果に。
デッキをユニットに大きく寄せる必要があるペローナより気軽に採用できるという点も大きい。

「緊急解除」
ピーキーな性能ながら絶大なリターンをもたらす可能性がある「緊急解除」も1~2枚の採用という形で多くのデッキに見受けられた。
特に使用率2位群のクラウディアではエナジー数の調整にも使えるため、使用率が高かったようだ。

サイドイベント

 会場では昼前くらいからをめどに多彩なサイドイベントも併催されていた。その様子をお届けしよう。
8人トーナメント
 8人で3回戦のミニトーナメントを行う、恒例のサイドイベント。
 今回はゲストの高野さんや開発陣が一足先に8弾のカードを使用したデッキで参加というサプライズもあり、勝利した場合は追加のプロモーションカードが貰えるという催しも行われた。
 
 ラピッドファイア
 もはや定番となりつつある「ラピッドファイア」も併催。
 タイアップブースター「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」などでの対決も見受けられ、なかなかに盛り上がっていたようだ。 
ビルディバイド-ブライト-体験会
 「リコリス・リコイル」の特別スターティングデッキを用いての、ビルディバイド-ブライト-の魅力を体験出来るコーナーだ。
 当日はキャンペーンガールりなさんも参加され、「とても楽しい。とんでもないカードなどもあって、ブライトにはブライトの面白さが十分ある」と語ってくれていた。 

 決勝ラウンドへ

それでは、激動の7回戦を勝ち残った選手とそのデッキたちを紹介しよう。
 
★デッキコードの入力はこちらから★

予選ラウンド終盤の上位卓は完全に混沌としており、どのテリトリーも生き残りをかけ戦う、乱世さながらの状況であった。
決勝ラウンドは高野さんと開発Dの実況付きで配信もされているのでそちらもぜひチェックしていただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=pLOEYuPIZqY
※決勝ラウンドの開始は6:23:00あたりになります。

筆者が決勝ラウンドで注目したのは準決勝、MK|キタショージ選手対sakasu選手の試合。
MK|キタショージ選手は予選ラウンド全勝者、かたやsakasu選手は今大会唯一の水の呼吸の使い手である。
"ナンバーワン対オンリーワン"とも呼べるこの戦いの様子を今回のレポートでお届けしたい。

先攻はsakasu選手、序盤から積極的にユニットを展開、ショットトリガーでユニットを削られながらも果敢に攻めていき、順当に「水の呼吸の使い手 竈門炭治郎」でテリトリー「水の呼吸」を開放。
対する後攻のMK|キタショージ選手も「野蛮な晩餐」からのゲーム開始、これにより「火竜のアギト」の開放を1ターン早め、流れるように大型ユニット「猛焔竜 グラナディガ」を登場させ、理想的な動きとも呼べる展開で迎え撃つ。
速いゲーム展開の中、大きく動いたのはその直後。sakasu選手、「水の呼吸の使い手 竈門炭治郎」と「水の呼吸」の効果を重ねて使用し、対処が難しいグラナディガを破壊、ユニットを展開し、さらに畳み掛ける。
MK|キタショージ選手も黙っていない。コマンドカード「遊郭に潜む闇」でエナジーからバドラトスを経由しての、「"デッドルーク"リヴァワート」で応戦。
しかし「水の呼吸」のドロー効果で供給され展開してくるユニットの群れには防戦に回らざるを得ない。
展開される度にリヴァワートで小型ユニットを一掃し、反撃のチャンスを伺うが、sakasu選手は「上弦襲撃!」でリヴァワートをレスト。ライフを守るユニットはいない。
こじ開けた一瞬に「隙の糸 竈門炭治郎」、「強い決意 竈門炭治郎」のアタックで勝負に出る。その瞬間、会場が静まり、誰もが息を飲み、時が止まる。
ライフを確認、ショットトリガー「呪術師の謀略」が出るも止めきれない。激闘の末、sakasu選手の勝利となった。

そして決勝戦。
sakasu選手「竈門炭治郎/水の呼吸」対、ツクダニ選手「レベッカ/地下武装庫 アーセナルフォート」の対決。
どちらのデッキも低コスト帯のユニットに重点を置きつつ、sakasu選手は「強い決意 竈門炭治郎」、ツクダニ選手は「短期集中訓練」による“一発”も搭載という重層的な構築になっている。
もちろんこの試合も実況解説付きで配信されているので、詳細はそちらの動画でチェックしてほしい!
  ※決勝ラウンドの開始は7:09:00あたりになります。

 何か少しでも違えば、また違う結果になっていただろう。張り詰めた空気の中、途切れそうな集中力を保ち、全力でぶつかり合う彼らの姿に筆者は感動し、魅了されていた。
 開会式でゲストの高野さんが「全てを出し切って欲しい。」と話しており、その言葉に答えるかのような素晴らしい試合であった。
 激戦を制したのはsakasu選手!本当におめでとう!!

 大会を終えて

 次のエリア大会は関東。ここでもまた熱い戦いを見られることを期待したい。
 今回の選手たちに匹敵する猛者たちが大勢集まり、予選から激しい戦いが繰り広げられるに違いないだろう。
 そしてその戦場を駆け上がり、勝利を手にするのは一体誰なのか。
 開催は2023年3月25日。この時点ではブースターパック第8弾も加わり、それぞれのデッキはどのような進化を遂げ、環境は変化していくのだろうか。
 そんな予測不能の戦いを、感動を、熱狂を、またお届けできればと思う。

★関東エリア大会のエントリーはこちらから★



それでは次のレポートでお会いしましょう。
『レディ・ビルドディバイド!』
 
(イベントレポーター・山内)