ビルディバイドとは？

黒き瘴気で覆われたこの大地に君臨する支配者は、魔族と呼ばれる異形の種族だ。
中でもより強い力と永劫の寿命を持つ上位者たちは、
戯れに命を弄び、気まぐれに己の力を誇示し、争い続けていた。
また、彼らより力も知性も劣るが、それ故により身近な脅威である不死の魍魎と魔獣。
支配者の手で産み落とされた醜悪な存在たちは、空っぽの命の器を他者の命で満たすべく襲い、喰らう。
そんな世界に暮らす人々の脅威は枚挙にいとまが無い。
このような絶望的な世界では、人もまた善性を失い、より弱きものを虐げることは必然となる。
どちらを向いても悪意と狂気、破壊と退廃で満たされたこの世界では、死ですらも救いではないのだ。

突如現れた名もなき竜とその眷属が引き起こした災厄と戦争 『対竜戦役』より100年。
竜による災厄はこの世界から文明と歴史を奪い、色鮮やかな風土を砂の世界へと変えた。
そしてギリギリの勝利と引き換えに大地に蔓延した竜の呪いは、男性の出生率を
限りなくゼロに近づけ、人類の滅亡をその鼻先に突きつけた。
生き残りをかけて世界を再編した人々は団結し、２つの大国「グラド大共和国」と
「テノス連邦」を樹立して、人類の滅亡こそ回避したが、僅かに残された生存可能領域と水源を求め、終わらない争いを繰り広げていた。

かつて創世より存在した竜を討ち滅ぼし、善なる神々による統治を実現した
神王・オーバーロードの理念を掲げる天使たちが統べる世界。
理力の海より生まれいづるその翼あるものたちは、神々が姿をくらました後も、
邪神を討滅し、神獣たちを手懐けて自らの世界を平定し続けた。
そして彼ら、彼女らはその素晴らしくも尊き理念を他のディバイドにも伝え広めるべく、
手に手に武器を取り、理力による超常の力を振るうことを決めたのだ。
───その絶対なる正義を実現するために。

緑が生い茂り、絶えずマグマが噴出する生命溢るる大地、その世界の主は竜であった。
かつて単なる捕食対象であった人類は、獣、そして竜の因子を体内に取り込むことで、
恐ろしき竜の脅威に抗ったという。
それからどれほどの月日が経ったのだろうか。大地の王者は未だ持って竜の眷属である。
また、獣人はその信念が故に竜人たちを忌み嫌い、両者の関係は劣悪にさえなっていた。
人々が怯えず暮らしていける世など夢のまた夢。
───弱肉強食の原理のみが全てを支配する、猛き世界の終焉は未だ見えていない 。

世界の軍事バランスを一変させる古代の超技術。
そんな、誰もが笑いながらバカにするような遺物・事象が実際に存在しており、
権力者達によって隠匿され、
人知れず争いの火種を撒き散らしていた───。
超高出力の熱線兵器、ミサイルの直撃で傷一つ付かない金属、
地脈をコントロールする地殻変動装置……。
そのような現代文明そのものを破壊しかねない危険な遺物を封印する。
それが秘密組織「エコール」に属する “守護者” たちに課せられた任務だった。

世界最大のクラウドゲームプラットフォーム『STEEL』。
目を覚ますと、毎日のようにログインしていたそのポータルサイトの “中に” いた───。
そんなよくある小説やアニメの設定のような出来事が現実に起こり、
巻き込まれた何百万人ものプレイヤーたちは、
己自身のライフを懸けたデスゲームを強制される。
悲壮と絶望で延命に逃避する者が大勢を占める中、生還＜ログアウト＞を目指して、
“攻略”を試みる強い意志を持った者たちも存在していた……。

幼少の頃に親に読んで貰った童話や絵本。胸を躍らせて読んだ冒険小説。
さらには史実に基づいた歴史活劇。多くの人々の記憶に残るキャラクターたち───。
そんな彼ら・彼女らが、容姿や目的、
はては性別すらも「なにか」によって書き換えられてしまった
とびきり歪でひたすらねじくれた世界…。
次々と創作され、さながら「積み上げられる一方の膨大な書物」の数々は、
圧倒的に足りない“本棚”での生き残りを懸けて、
今日も今日とて戦い続けるのだ。

四方を海に囲まれた、戦乱絶えぬ列島があった───。
古くはともに「竜」と戦ったこの島の民だが、竜討伐ののちいくつもの国に分断。
それぞれの国が天下統一を競って戦乱に明け暮れている中ではあったが
その中でも人間、妖、鬼を交えた民草は、日々の暮らしに精を出していたのだった。
いまだ統一なしえぬこの世界では、「力こそ正義」が唯一無二の理。
ある時開いたその「扉」は吉兆となるか、
あるいは戦乱をさらに加速する凶兆となるか…