2023年05月10日

『ディバイドバトル 2ndセッション 北海道エリア』大会レポート


前回のディバイドバトル関東エリア東京大会から早一か月。
前大会終了後、ブースターパック9弾「身を焦がす野望」の発売により環境は大きく変化し、2023年4月23日、ディバイドバトル2ndセッション北海道エリア大会が開催された。
そんな今大会の様子を、まずはデータから解析していきたいと思う。

テリトリー分布


前評判から注目の的であった「焼炙の門」は最多数の7名であり、今後の大会を語る上で避けては通れないデッキであることは間違いないだろう。
使用率2位のマルガレータも、第9弾で大きく強化された影響か使用率を大きく伸ばしており、他にも様々なデッキがアップデートされているのが伺える。
 
それでは次に、会場内で筆者が印象に残った新カードたちをいくつか見ていこう。

注目カード


赫灼竜 ヴォルガネード
様々なデッキの切り札として採用されていたのがこのカード。
エナジーに赤の6コストエースを2枚という条件が必要ではあるものの、事実上、2エナで登場した上でさらにもう1枚ユニットを展開でき、爆発力はピカイチ。
元々6コストで赤いエースであるマルガレータやバドラトスなどを押し上げた1枚である。
 
デッドストック
手札交換を繰り返すデッキならば十分狙えるコスト軽減能力に加え、クイックであることも相まって普通に使っても十分採用できるカード。
アーセナルフォートが代表的ではあるが、青黒系のデッキでも多く採用されていた。
 
滅却の信奉者 バークティ
相手のデコイ能力を失わせる神兵。
2コストと最軽量のコストでプレイできるうえ、いざという時は1エナで能力だけ使う事もできる。
小型を並べるデッキはデコイを苦手とすることも多いため、その対策として有用であった。

予選ラウンド


北の大地にプレイヤーの熱気が渦巻く中、戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
筆者を含めた多くのプレイヤーが意識せざるを得なかっただろう「焼炙の門」。
今大会でも最大勢力を誇り、焼炙の門イシュタルテデッキが今大会で猛威を振るうと誰もが予想していたと思う。
 
しかし、そんな中「俺の時代だ!」といわんばかりの破竹の勢いで勝ちすすむ、とあるデッキに我々は度肝を抜かれたのだった。
転生の柩」、ヴァランデッキである。
 
本大会は参加者が40人程なので、5連勝すれば決勝トーナメント進出確定、そんな5回戦の雌雄を決する全勝対決卓についたのは、なんと2人のヴァラン。
ここまで無敗で2人のヴァラン使いが勝ち残ってきたのである。
 
このヴァランデッキは構成も吹っ切れていて、デッキのほとんどが総コスト2以下のユニットで占められており、止まる事無く山札から怒涛の展開が続く。
山札の上にあると動きが止まってしまう大型のユニットやショットトリガーを採用していないという事なのだろう。
あまりにも思い切った構築と、それで勝ち続ける環境を読む力に驚愕するばかりである。
 
こうして、5回戦終了時の戦績トップはヴァラン。もちろん2位もヴァラン。
今回のディバイドバトルは超軽量ユニット型ヴァランが最強かという結論を筆者は出そうとしていた。
 
しかし、ディバイドバトルは7回戦勝負、ここでは終わらない。
ここから、他のデッキの逆襲が始まった。

なんと最終戦終了時、予選ラウンドを7戦全勝で走り抜けたプレイヤーはおらず、誰もが敗北を経験するというという凄まじい混戦となったのである。

ビルディバイド -ブライト-公式大会『ブライトツアー in 北海道』

ビルディバイド -ブライト-の2回目となる公式大会。
その戦いを制し、見事優勝したのはあーふぁ選手だ。

あーふぁさんは本大会にて『喫茶リコリコ』デッキを使用されたが、次回以降どんなデッキを使われるのか期待が高まる。

★本大会で使用されたデッキ紹介はこちら★

決勝ラウンド

様々なデッキが入り乱れる中、決勝ラウンドに勝ち残ったのは以下の選手とデッキたちだ。


さあそれでは、北海道大会予選7回戦を勝ち残った選手とそのデッキを紹介しよう。

●ケシコ:h4LPczH5Xw
●とみよし:Re9NeWwM62
●とーしん:wStBxh6U7N
●Hashi:CSYplTHYAB
●LEPUS|もとや:D8GD3jUcRw
●やや:JI1wjlWDTo
●jov:cx5rMSqgxa
●タケシ:I5Vxn6979a

★デッキコードの入力はこちらから★

最大勢力であった「焼炙の門」も勝ち上がってきているが、蓋を開けてみればヴァラン、マルガレータ、クルミ、ネフェルクセスと白系デッキが今回の勝ち頭といった結果となったようだ。

決勝ラウンドで筆者が注目したのは準決勝の1戦、やや選手VSとみよし選手だ。
使用テリトリーはやや選手が「喫茶リコリコ」、対するとみよし選手が「焼炙の門」。
前回の東京大会でも決勝大会に進出していた喫茶デッキと、メタの中心であるイシュタルテ、どちらも確かな強さを持つ強力なデッキだ。
 
先手はやや選手。
盤面の動きはとみよし選手の「燈火の玉兎 ラビアン」から始まり、返しのターンにやや選手の「ハニー・トラッパー」が続く。どちらも安定した動きだ。
続くやや選手は「最強ハッカー クルミ」でテリトリーを開放。テリトリーの効果で「ハニー・トラッパー」を登場させるという万全の動き。
とみよし選手もこれに続きたいところだが、どうやら開放できるエースが引けていないようだ。
 
しかしやや選手、これを機に猛攻を仕掛けるかというとそうでもない。
もちろん展開こそしていくが、かなり慎重……というよりも、とみよし選手の手札にあるイシュタルテ側のキーカードの1つ、「復讐の誓い」を完全に読み切っている動き。
 
確実に盤面を有利にしていくやや選手、とみよし選手も常に2エネを浮かせた状態で「烈火の逆鱗 バドラトス」などを展開し、エースを引いた時の為の布石を整えていく。
 
そして運命のターンがやってきた。
ついにエースがとみよし選手の手札に加わる……しかもそのエースは「大火国の風雲児 イシュタルテ」。
長丁場でたっぷりと貯め込んだエナジーを使って、もちろんエヴォルでのプレイを宣言。
墓地には相手から受けた攻撃によって大量のカードがあり、特大のパワーマイナスが相手のユニットを一掃、反撃の狼煙を上げたのだった。
 
ここからは怒涛の展開、続くターンで「ハニー・トラッパー」の通常プレイに加え、「赫灼竜 ヴォルガネード」エヴォルでエナジーから「立ちはだかる絶望 セイバーオルタ」を登場させる。
 
中型ユニットを主軸としたやや選手の喫茶デッキにとっては、セイバーオルタはかなり厳しいユニットであり、長い戦いはとみよし選手が逆転勝利を収めたのだった。

決勝戦

先ほどの激戦を制したとみよし選手VS、「地下武装庫 アーセナルフォート」を駆るLEPUS|もとや選手。
9弾およびスターティングデッキの追加で、アーセナルフォートも「デッドストック」や「機先光射 ザスキア」などを手に入れている。
もとや選手のアーセナルフォートは軽快な動きとリソース消耗のないリムーブ除去効果がウリであり、やや大振りな構成であるとみよし選手の「焼炙の門」とはどういった対戦になるか興味深い。
この様子はYouTube『ビルディバイドチャンネル』にて公開されているので、ぜひチェックしてみてほしい。
長期戦の末、完全にアーセナルフォートがコントロールを掌握するか否かの刹那の隙、劇的な勝利を収めたのはとみよし選手!本当におめでとう!
 
また、今回は上位4名の方からコメントをいただいている。


4位 ケシコ選手 使用テリトリー「爆散の小劇場
「マルガレータで参加しましたが、昨日まで別のデッキを使おうと思っていました。
直前にこちらに変更し、自分の力だけの勝利ではないので、いろんな人に感謝です。
ヴォルガネードが強かったです」
お気に入りのカード「赫灼竜 ヴォルガネード




3位 やや選手 使用テリトリー「喫茶リコリコ
「関東大会でベスト8のデッキを参考にしました。イーファが強かったです」
お気に入りのカード「痛み分け


2位 LEPUS|もとや選手 使用テリトリー「地下武装庫 アーセナルフォート
「アーセナルフォートで一番強いのは7弾の頃だと思うので、その全盛期に近づけた構築を目指して構築しました。回しやすかったです」
お気に入りのカード「天狼国の姫武者 咲耶


1位 とみよし選手 使用テリトリー「焼炙の門
「バスター28枚でデッキを構築するので構築の幅が広いです。最初はライゾームやリヴァワート、【レガシー】のコマンドも試しましたけど、最終的に今回のヴォルガネードを入れた形に落ち着きました。」
お気に入りのカード「大火国の風雲児 イシュタルテ」 

大会を終えて

今回のイベントは参加者こそやや少なめではあったものの、それを補って余りあるほどの名勝負が繰り広げられ、熱量の高い盛り上がりを見せてくれたように思う。
 
第9弾発売から話題に事欠かない焼炙の門イシュタルテ、防御を捨てて圧倒的な展開力を誇る転生の柩ヴァラン、ヴォルガネードによってさらなる展開を可能にした爆散の小劇場、打ち消しコマンドを搭載したサルワスールなど、新たなカードや再発見されたカード、そして環境の変化に対応し様々な進化を遂げたデッキが普段より多かった印象を筆者は抱いた。
 
次回のエリア大会には、新たにタイアップブースター「ソードアート・オンライン」が新能力「スイッチ」を携え参戦。
今回惜しくも優勝を逃したデッキが優勝を飾るのか、まだ見ぬ新たなテリトリーが環境を制すのか、これからのビルディバイドも目が離せない。


 ★東北エリアのエントリーはこちら★

それでは、また次回のディバイドバトルでお会いしましょう。
『レディ・ビルドディバイド!』
(イベントレポーター:中井)