2023年06月08日

『ディバイドバトル 2ndセッション 東北エリア』大会レポート

2023年5月21日、心地よい五月晴れの仙台では、数年ぶりに青葉まつりが開催され、かつての賑わいを取り戻していた。そんな中、筆者はディバイドバトル2ndセッション東北大会会場、アズテックミュージアムへと向かった。
会場には幾度のエリア大会を渡り歩いてきたプレイヤーたちの姿も見られ、間違いなくトップレベルの戦いが繰り広げられると確信した。今回はどんなデッキで、どんな驚きを見せてくれるだろうか。地元プレイヤー達の秘められた実力と対峙した時、どんな化学反応が起こるのか。
期待に胸が膨らむ予選第1回戦、開始の合図が会場に響き渡る!

『レディ・ビルドディバイド!』

テリトリー分布

前回の北海道大会から1か月、「焼炙の門」と「爆散の小劇場」の勢いはそのままに、大きく使用者を増やしたのが「喫茶リコリコ」だ。
逆に北海道では衝撃的であった超軽量型「転生の棺」は占有率を落とし、新顔「星なき夜のアリア」や「超古代遺物 ヴァレリア・キティラ」のような、対応力の高いデッキが伸びたように見受けられる。

では次に、会場内で筆者が印象に残った新カードたちをいくつか見ていこう。

注目カード


記憶の歌姫 ユナ
3コストで【デコイ】を持ち、さらに山札を3枚並べ替えることができる優秀なユニット。
スカウトとは異なり不要なカードを下に送ることはできないものの、その使用感の良さで様々なデッキに採用されており、今後も活躍が期待される大注目のカードだ。

浅き夢見し
前エリア大会で注目を浴びた「転生の柩」や、登場コストを踏み倒せる「喫茶リコリコ」などのユニットを大量に展開するデッキへの対抗策として多く見られたショットトリガー。
ビルディバイド-ブライト-のカードであるがゆえに色指定も少なく、白が差し色でも投入しやすいのもありがたい。

剛機竜 ギアステア
こちらはブースターパック第4弾に収録されているバスターユニットで、かつて「試練の巨塔」をはじめとするテリトリーや「邪悪な取引」との組み合わせで猛威を奮っていた1枚。
横並びデッキへのカウンターにとどまらず、手札を貯め込んで中型以上にも対処できる挙動が再評価されたのか、今大会で特に活躍していたカードだ。

予選ラウンド

今回はタイアップブースター「ソードアート・オンライン」の新カードたちに加え、既存のデッキも研究を重ねて持ち込まれており、未知のデッキに苦戦したプレイヤーも多かったようだ。
各々が自信をもってくみ上げてきたデッキが激しくぶつかり合い、予選前半はどのデッキが勝ち上がるのか全く予想が出来ない大混戦に。
後半戦はある程度デッキが絞られてはるものの、分布図にあげたデッキの多くが決勝進出の枠を奪い合う形となった。

サイドイベント

それではいったんサイドイベントの様子もお届けしたい。

今回は発売間近のBT10「闇払う閃光」と、ビルディバイド-ブライト-「ぼっち・ざ・ろっく!」の試遊会が行われており、研究熱心なプレイヤーはもちろん、「ぼっち・ざ・ろっく!」ファンもいち早くカードに触れる事ができるため、常にデッキの貸し出しが行われる人気イベントとなっていた。

「ラピッドファイア!」も併催され、今回の物販では一部地域では品薄となっているBT7が購入できるとあって、「発掘調査」目当てに参加するプレイヤーの姿も見られた。

また、4人トーナメント戦も非常に盛況で、新たなデッキの研究やプレイヤー同士の交流の場としても活用されていたようで、イベント終盤まで絶えず盛り上がっていた。

ビルディバイド -ブライト-公式大会『ブライトツアー in 仙台』

今大会で3度目となったビルディバイド-ブライト-公式大会、「ブライトツアー」。
参加者が奇数だったこともあり、不戦勝のプレイヤーには開発陣が「ぼっち・ざ・ろっく!」で対戦をするなど、-ブライト-のイベントならではと言ったなごやかな雰囲気のなか、大会が進行した。
そして見事優勝を勝ち取ったのは「錦木千束/リコリス・リコイル」を使用したAgua y luz選手!
今回はブライトツアー優勝者にもインタビューさせて頂いた。

「主人公の千束が推しなのでそれを使ったデッキを作りたいのと、今のブライトは喫茶リコリコの環境なので、対抗できそうなものという所で選択しました。」
お気に入りカード「凸凹コンビ 千束&たきな」

Agua y luz選手、優勝おめでとうございます!

★本大会で使用されたデッキ紹介はこちら★

決勝ラウンド

それでは、予選7回戦を見事勝ち残った選手とそのデッキたちを紹介しよう。


●merushia:We03FnrHy9
●タケシ:a3EwhWCA73
●やや:cIS6ne7ehK
●ラグナ:WJikuftb4R
●あおうみ:YJrsAVs5eo
●白うさぎ。:uR3EXbLB5w
●マジデカ:MfyenC5gtt
●ふじぴょん#タイニー:FQDdz6DZWJ

★デッキコードの入力はこちらから★

今回のレポートでは3位決定戦、ラグナ選手対やや選手の様子をお届けしたい。
使用テリトリーは両者「喫茶リコリコ」。
先に場を制したのはラグナ選手、順調にテリトリーを開放し、喫茶リコリコの効果でアリアやライゾームを登場させ、やや選手を牽制。
少し出遅れる形となったやや選手との差を広げるかのようにアタックを仕掛けるが、やや選手、「痛み分け」とショットトリガーの「《マザーズ・ロザリオ》」でラグナ選手の牙城を崩す。
そしてその隙を逃さずやや選手がテリトリー開放、手札とテリトリーの効果でユニットを展開してラグナ選手のユニットへ集中攻撃し、盤面を押し返す。

確実に差を広げ、このままやや選手の流れになるかと思われた時、ラグナ選手の「浅き夢見し」がトリガー!
やや選手のユニット全てが手札に戻り、すかさずラグナ選手はユニットを展開し立て直す。
しかしやや選手も黙っていない。手札に戻されたユニットをもう一度展開し、真っ向勝負の様相!
お互い譲らない攻防が繰り広げられる。
 
その後、お互いのデッキで最大の防御力を誇る「“ブラックナイト” ライゾーム」をプレイできたやや選手に天秤は傾き、盤面を抑えつつ「絶・迦楼羅」などのクイックコマンドを巧みに操り、相手の戦力を着実に削る展開に。
長い戦いは、ラグナ選手のライフを削り切りってやや選手の勝利となった。

決勝戦

決勝戦、「†陸上部のアイドル† 東雲イブキ」を投入した「喫茶リコリコ」のタケシ選手、対するは「焼炙の門」のmerushia選手。
merushia選手のデッキは「焼炙の門」ではあるが、”普通の”黒赤デッキとは一味も二味も……というよりももはや全く異なるアプローチで組まれたデッキだ。
この「黒青型」は同じくベスト8の白うさぎ。選手も使用しているが、よりコントロール要素を色濃くしてバスターコマンドを多く搭載しているのが印象深い。
決勝戦の様子はYouTube『ビルディバイドチャンネル』にて公開されているので、ぜひチェックしてみて欲しい。



そして見事、ディバイドバトル2nd 東北大会を制したのはmerushia選手!本当におめでとう!!

今回も上位4名の方にインタビューさせて頂き、今回使用したデッキについてと、お気に入りカードを答えてもらった。

4位 ラグナ選手

一言コメント:
『アニプレックスのコラボカードを全種類入れるというコンセプトになっていて、その力もあって勝てたんじゃないかと思います。』


3位 やや選手

一言コメント:
『前回のエリア大会でも使用しましたが、今回はSAOのユナが追加されたことでより安定するデッキになりました。イシュタルテには枷と痛み分けでなんとかなる読みで、マルガレータ対策にはアリアを選択しました。』


2位 タケシ選手

一言コメント:
『山札の順番を入れ替えるカードでコスト5以下のユニットを大量にコストを踏み倒してクイックを構える、ビルディバイドの基本に忠実なデッキで、なおかつ環境にも刺さっているため選びました。』


1位 merushia選手

一言コメント:
『ギアステアを採用する事で、相手にどんな強い盤面を作られても無かったことに出来る。その後はテリトリーの持ち味であるライフの多さを活かして戦っていけるデッキになっています。』

大会を終えて

今回のエリア大会はデッキの完成度はもちろん、意外なデッキ、意外な構築に驚かされる事も多く、参加したプレイヤー達にも多くの収穫があったのではないだろうか。
特に印象に残ったのは、やはり優勝者のmerushia選手をはじめ、好成績を残した黒青「焼炙の門」だ。
「黒赤のテリトリーは黒赤で」という概念にとらわれず自由に、かつ環境を読み切った構築には脱帽である。

そして惜しくも決勝戦進出とはならなかったが、トリッキーな動きで相手を翻弄する「コール・オブ・アヴァロン」や、まだまだ現役と言っても過言ではない「命運の遊技場」、新顔「星無き夜のアリア」も高いポテンシャルを感じさせる強さがあり、多くのプレイヤーに刺激を与え与えられ、更なる進化の糧となったのでは無いだろうか。
総じて今大会は、前回以上にビルディバイドの新たな可能性を感じる事ができた素晴らしい大会だったと筆者は思う。

次なるディバイドバトル2ndセッション名古屋大会は今シーズン最後の予選であり、また古くから中京の地は強豪が集う場所であるため、最後のエリア大会に相応しい舞台ではないだろうか。
今回得た経験と新たなブースターパックが作り出す物語は、一体どんな結末を迎えるのだろうか。
新たな感動に出会える事が今から楽しみでしかたない。
★中部エリアのエントリーはこちら★

それではまた次のレポートでお会いしましょう。
『レディ・ビルドディバイド!』
(イベントレポーター:山内)