2023年12月02日

公式大会『ディバイドバトル 3rdセッション 関西エリア』大会レポート

あっという間に秋がすぎ、冬の訪れを感じ始めた2023年11月18日。マイドームおおさかにて、ビルディバイド3rdセッションが開催された。
今回は新要素「Dデッキ」が登場して初のエリア大会。3年目に突入したビルディバイドがどのような変化を遂げたのか。その答えを知るべく、筆者は会場へと向かった。
会場にはファイナルで見かけた選手や、各地で開催された争奪戦で勝ち取ったプレイマットを使用する選手の他、今回初参加だというプレイヤー達もおり、3rdセッションの盛り上がりを感じ取れた。
 
そして開戦、新たな時代の幕開けとなる号令が響き渡る!
『レディ・ビルドディバイド!』

テリトリー分布

では早速、テリトリー分布を見ていこう。

BT11「紡ぎゆく宿命」から登場の「超越者の揺り籠」が最も多くのシェアを取った形となっているが、BT12の新エースもなかなかの活躍と言ってよいだろう。
特にTOP2の「超越者の揺り籠」と「多目的構築機構 フォートビルダー」はオーソドックスな”型”は定石としてあるものの、色構成からして大胆な構築になっているデッキもあり、非常に興味深い。
それ以外にもありとあらゆるタイプのテリトリーがひしめき合い、3rdセッションは群雄割拠の開幕となった。
 
では次に、筆者が会場で気になったカードを見ていこう。

注目カード


「暗影の民 同志 ザイド」
新スターティングデッキ「暗夜埋伏の影霊師」で登場したコストのユニットカード。
Dデッキからユニットを墓地に落とし、「海底神殿 アレイネ」や「ブルーム」などで蘇生させる使い方はもちろん、相手のデッキに有効なユニットを落としておき、「邪悪な取引」等で回収するなど、数多のデッキの底上げや対応力の強化に繋がっている。このカードを起点とした戦略が今後も続々と生まれるであろう1枚だ。
 
「多目的構築機構 フォートビルダー」
こちらも新スターティングデッキ「天衣無縫の狙撃手」収録のテリトリー。
Dデッキからコマンドを加えられる効果は様々なデッキコンセプトを作り出す事が可能であり、状況によりカードを選択する事で途方もない組み合わせと万能さを兼ね備えている。対応エースもかなり強力で、今大会での好成績もありさらなる進化の可能性を秘めた注目のテリトリーである。
 
「宝の山」
白や白赤によく見られるコマンドを妨害するカードの最新版。
2コストと軽量かつクイックでプレイでき、対コマンド以外にも大きめのパワー強化も併せ持っている嬉しい1枚。白赤のエナジー確保にもなり、シンプルにバトルで使ったり「強制接続」に対応したりと使い勝手抜群のカードだ。

サイドイベント・物販


ここで一旦、物販やサイドイベントの様子をお届けしたい。
今回の物販は、公式グッズ販売に加え、Bee本舗さんが来てくれており、お話を伺ったところ最新弾以外にもBT7の売れ行きが特に好調で、昼頃には残り数パックほどとなっていたそうだ。
さらに今回はラピッドファイア!チャンピオン杯もあり、ビルディバイド-ブライト-の「青春ブタ野郎シリーズ」もよく出ていたそうだ。確かに、ユニットの比率が高めなブライトのパックをラピッドファイア!で選択するのはいい選択なのかもしれない。
あまりの売れ行きに、物販購入時に貰えるイベント参加券は早々に無くなってしまったほどだった。
ミニトーナメント
4人で行うミニトーナメントは今回も大盛況!BT12やDデッキが登場してから構築の幅が広がり、試したいデッキが山ほどあるためかいつも以上に参加者が多く感じた。皆沢山のデッキと触れ合い、イベント終盤まで楽しんでいた。
 
ラピッドファイア!チャンピオン杯
手軽に遊べてスピーディーなラピッドファイア!今回はチャンピオン杯が開催!
一斉に行われるラピッドファイア!は本戦では聞くことの出来ない悲鳴や笑い声が連鎖し、見ているこちらも思わず笑顔になるほどの大盛り上がり!とても楽しいひと時となった。
 
他にもアンバサダーの真央さんの対戦会が行われていたり、実況解説を担当してくれたゲストの高野さんのゲリラサイン会が行われるなど、ゲストと参加者が気軽に交流出来るというのもこのエリア大会の魅力だ。

決勝ラウンド

7回戦の熾烈な戦いを終え、勝ち上がった選手たちを紹介しよう。

〇ぐち選手 デッキコード:RDvGcqkl8nn
〇ビルディバイド選手 デッキコード:PleeU0BgwMg
〇すこ選手 デッキコード:OB3JSE5GNZR
〇sleep選手 デッキコード:bBe6u2q7pqK
〇そぉい選手 デッキコード:Z2PbCmPby63
〇ラグナ/LcF デッキコード:M4e1Uw69DNw
〇あす選手 デッキコード:qvZef7aROzo
〇ザイン選手 デッキコード:6G3RsD2JwZw

今回は「ぐち選手」対「あす選手」の3位決定戦の様子をお届けしたいと思う。
お互い使用テリトリーは「超越者の揺り籠」だが、デッキの中身は全くの別物。
ぐち選手はPSI属性がメインの青黒で構築されているのに対し、あす選手はエースと最低限のコマンドのみがPSI属性、黒を使わない青白で構築されている。
 
序盤はお互い「遅滞戦術」で牽制し、順当にテリトリーを開放、先攻であるぐち選手の優勢と見られたが、「超越者の揺り籠」で対象にしたコマンドをあす選手が「魂の価値」で狙い撃つ!
白を採用しているが故の対応札、あす選手はぐち選手の猛攻をギリギリの所で躱していく、息もつかせぬ攻防が続く。
中盤、ぐち選手の「見据える者 カリン」が登場し一気に形勢を傾けようと図る……が、ここで「痛み分け」!ぐち選手の「見据える者 カリン」を戻しながらあす選手はユニット化させたコマンドを戻し立ちはだかる。
お互い、幾度もギリギリの所で的確にクイックコマンドで狙い撃ち、相手の思うように攻め込めない状況を作り出し続けるジリジリとしたゲームが進行していく。
虚実飛び交う長期戦の末、最後はぐち選手の山札、ライフ共に0枚となり、あす選手の勝利となった。

決勝戦

熱すぎる3位決定戦と時を同じくして、3rdセッション最初の優勝を決める戦いも始まっている。
オーソドックスな形に、スポットで環境を見据えたカードを投入した「超越者の揺り籠」を駆るのは「すこ」選手。
そしてなんと新エース+4色という驚愕の構築でチューンアップされた「多目的構築機構 フォートビルダー」で強豪たちを制してきたのは「sleep」選手。
こちらも見ごたえ抜群の戦いとなっており、その様子は公式配信で確認できるので、ぜひその目で確かめて欲しい!(該当シーン:7:55:00付近)
 激戦の末、3rdセッション初のエリア大会を制したのは「すこ選手」!!
2位のsleep選手とともに3rdセッションのファイナルへの出場権利を獲得、おめでとう!!

そして今回も上位4名の選手にお気に入りカードとデッキについてインタビューをさせて頂いた。

4位 ぐち選手
お気に入りカード「強制解放」
下馬評通り1番強いデッキなのでカミーリアにしました。Dデッキにお気に入りカードを入れる事で運が良くなり、ここまで来れました。
 
3位 あす選手
お気に入りカード「虚数残影 ペトロネラ」
「落日の帰還」を軸にするコンセプトを詰めてみようと組んでみました。青白にしたら「邪悪な取引」で手札を回しているタイプに「魂の価値」、「鉄砲水」で窮地にたたせられる事が多いので、カミーリアにはお祈りする事が多いですが、それ以外にしっかりと勝てるように組みました。

2位 sleep選手
お気に入りカード「共鳴する四重奏 ブレーメン」
Dデッキで色んなカードや構築が広がってより楽しくなりました。プレイヤーもみんな強くて、めちゃくちゃ楽しい!

1位 すこ選手
お気に入りカード「スティール・ラン」
「スティール・ラン」はダメだよ~~~
 
各選手に改めて賞賛の言葉を贈りたい。本当におめでとう!!

大会を終えて…

「超越者の揺り籠」が環境の中心とはなっていたが、準優勝の「多目的構築機構 フォートビルダー」を筆頭に、ベスト8には「やさしい夢に包まれて」が大健闘していたり、青白&クイックユニットの組み合わせがあったりと、一概に「これ」とは言えない多様さを誇った大会であったと言ってよいだろう。
他にも予選で「白狼衆の守護職 夕顔」の効果によって「千尋の大渓谷」登場、盤面に並ぶ三姉妹のヒットが突然倍加するシーンなども見る事ができ、Dデッキによる新たな価値や戦略を創造する力を肌で感じる事が出来た。
この結果を受けて、さらに新たな、自由な、そして定跡を研ぎ澄ませた発想が多く生まれる事だろう。次のエリア大会ではどのカード達が活躍し、注目されるのかとても楽しみだ。
それではまた次のレポートでお会いしましょう。


『レディ・ビルドディバイド!』

(イベントレポーター:山内)