2021年10月07日

カードをプレイできるタイミングと優先権

今回はカードや能力のプレイタイミングである、「ノーマル」と「クイック」それぞれの“どこで使えるか”の解説と、難しく考えてしまいがちな“優先権”に関する内容を解説していきます。

◯使用できるタイミング
全てのカードや能力には「ノーマル」と「クイック」の2つのプレイタイミングが設定されています。
この2つがそれぞれ、“どこで使用できるのか?” を解説していきます。

◇「ノーマル」
「ノーマル」「NORMAL」(以下、ノーマル)と書かれているカード/能力は、“自分のメインフェイズ”にだけ使用できます。
また、使用には以下の条件があるので覚えておきましょう。

・自分が優先権を持っている
 優先権は基本的にターンプレイヤーが持っています。
 この優先権は、何かのカードをプレイしたり、パス(相手にカードの使用を許可する)するまでは持ち続けたままです。
 詳しくは後述する「優先権」の項目と合わせて覚えると良いでしょう。

・既にプレイされており、まだ解決されていないカードや能力が存在しない
 何かのカード/能力をプレイしたり、何らかの自動能力が発動している(そしてそれらがまだ解決されていない)場合、「ノーマル」のカード/能力は使用できません。

・ダメージ処理やテリトリー開放などのルール処理が発生している場合は使用できない

◇「クイック」
「クイック」「QUICK」(以下、クイック)と書かれているカード/能力は、相手のターンを含めて何時でも使用したり、相手や自分のプレイに対応して、続けて使用(これを「連鎖」と呼ぶ)することができます。
ただし、「クイック」のカード/能力でも使用できないタイミングも存在します。
プレイできるタイミング、プレイできないタイミングを下記にまとめました。

 ●プレイできるタイミング
 ・スタンドフェイズの「スタンド」以降
 ・ドローフェイズ開始時/ドローを行った後
 ・メインフェイズ開始時/メインフェイズ中
 ・アタックフェイズ開始時/アタックフェイズ中
  アタック宣言/ブロック宣言が行われた時にも、「クイック」のカード/能力を使用できます。そうした場合、アタック宣言/ブロック宣言を行う前まで、“巻き戻して”処理が行われます。
 ・エンドフェイズ開始時

 ●プレイできないタイミング
 ・スタンドフェイズの開始時
  スタンドフェイズの「カードをスタンドさせるルール処理」の適用前は、あらゆるカード/能力が使用できません。
 ・エンドフェイズの開始時以外
  エンドフェイズのルール処理である“「そのターン中」の効果と、全てのユニットが受けているダメージが消える」”処理の適用後は、あらゆるカード/能力が使用できません。
 ・相手が優先権を持っている時
  相手が優先権を放棄(パス)するまではプレイできません。
 ・効果の解決途中
  例えば「1枚引いて1枚捨てる」という効果の解決中の「引いた後、捨てる前」などに使用することはできません。

◯優先権
優先権とは「カード/能力をプレイしてもいい権利」と「カードをプレイしても良いですか?」という確認作業です。
とかく難しく考えてしまいがちですがTCGはコミュニケーションを行うゲームなので、
自分のやりたいことを1つ1つ相手に確認してから行いましょう…ということをシステマチックにまとめたものです。
以下に、優先権の獲得と放棄がどのようなタイミングで行われるか、簡単に解説していきます。

 ◇優先権の獲得
 ・優先権は基本的にターンプレイヤー/手番が持っています。
 ・相手が優先権を放棄(パス)した時に獲得できます。
 ・優先権を持っている間は、「クイック」のカード/能力を好きなだけ連鎖させることができます。

 ◇優先権の放棄
 これ以上カードをプレイしない/フェイズを移行する、などが行われる際、必ず “優先権の放棄”が行われます。
 優先権が移行した時に、相手プレイヤーがカードをプレイしない場合(2回パスが連続した場合)、連鎖(解決領域)の処理を行う/フェイズの移行、が行われます。

 <具体例1>
 A「ユニット◯◯をプレイします」
 B「そのプレイに対応して、コマンドをプレイしたいですけど良いですか?」(優先権放棄の確認)

 本来だと、AとBの間には、Aの「優先権の放棄」の意思表示が入ります。
 ですが、実際のゲームプレイでは毎回放棄の意思を確認するのは面倒なので、BのようにAに確認を取ってから行動するのが基本になるでしょう。

 この時、Aは望むならBの行動を許可せず、「クイック」のカード/能力でもう一度
 行動(連鎖)を行うこともできます。
 また、この状況は自動型能力が発生したタイミングでも行われます。

 <具体例2>
 A「アタックフェイズに移りたいですけど良いですか」(優先権放棄)
 B「ちょっと待って。その前に「〇〇」を使います」

 この場合、優先権は一度Bに移行し、Bが望むだけカードをプレイできます。
 その後、Bが「これ以上カードをプレイしない」ことを宣言すると、再びAに優先権が移行し、Aもそこでパスを行った場合、連鎖(解決領域)の解決を行います。

 連鎖(解決領域)の処理を行って、それらが全て解決された時、解決された時、再びAがフェイズの移行を宣言することになります。

 <具体例3>
 A「コマンド〇〇をプレイします」
 A「(何もなければ解決したいですが)何かありますか?」(優先権放棄)
 B「特になにもないです」(優先権放棄の連続)

 ゲーム中、最も多く見られると思われる優先権の移行とパスの手順です。
 「何かありますか?」「何もありません」のやり取りが行われた時に、連鎖(解決領域)の処理が進行したり、フェイズの移行が行われたりします。

 実際のゲームのほとんどのカード/能力のプレイは、具体例3の手順で行われると思いますが、連鎖が発生する時こそ、ゲーム中で大きなアクションが発生し、勝敗に大きな影響を与える可能性があります。
 ゲーム中の優先権の確認や、コミュニケーションを上手く行って、お互いに気持ちよくゲームをすることを推奨します。

◯一部のテリトリー開放を伴う優先権の処理
エースユニットの登場に伴う「テリトリーの開放」は、連鎖(解決領域)に組み込まれないため、エースの登場&テリトリーの開放直後、優先権はターンプレイヤーが持った状態で、「ノーマル」のカード/能力を使用することができます。
※ユニットのプレイタイミングが「ノーマル」の為、原則的にユニットのプレイの解決=連鎖の終了となります。「クイック」のコマンドなどの効果で、テリトリーの開放が行われた場合などは、この限りではありません。

ただし、『命運の遊技場』(A-S1-01SD)や『審判の神殿』(A-B1-48N)のような、
「テリトリーの開放時に発生する自動効果」を持ったカードの場合、状況的に下記の処理が発生します。

このタイプの能力を持つテリトリーカードの場合、エースの登場&テリトリーの開放直後、ただちにテリトリーの持つ「開放された時」の自動効果が連鎖(解決領域)に組み込まれ、その状態から優先権のやり取りが発生します。

そのため、テリトリーの自動効果に対応する形で、何らかのカードをプレイして、
フィールドに出たエースを破壊したり、レストすることが可能で、
そうした場合、登場したエースが持つ「ノーマル」タイミングの起動効果をプレイする機会なく、エースがフィールドから離れたり、レストしてしまうことが起こりえます。