2022年02月04日
ディバイドバトル 中部エリア大会 開催レポート
2021年12月3日発売のブースター2弾から2ヶ月。
第二回ビルディバイドTCG大型公式大会「ディバイドバトル 1stセッション中部エリア」が名古屋会場にて開催された。
昨今の感染状況を鑑みて、全卓に飛沫防止板・消毒液を設置をし、常時換気や声出しの禁止をするなど、かなり入念な感染対策が行われていた。
朝日の眩しい冬の早朝に、参加者180名弱が集合。
では早速、予選7回戦+決勝3回戦という長期戦の様子を、まずはデータから分析していこう。
予選・デッキ分布
追加されたブースター2弾のカードの中で、特に使用率の高かったものは以下の通りだ。
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二回目の大型大会は、今後の変遷を見るという意味でも特に注目される大会だと感じている。さて分布からどう変化が起こっているか見ていこう。
関東エリア大会とは一転ライオネルが減り、マーギュリスが増えている。これは『血讐のアリア』が加わった事が大きいだろう。
『邪眼の魔王 マーギュリス』と『血讐のアリア』、相手のスタンドしているユニットにアタックできるユニットが2種に増えたことで、
前回大会で猛威を奮っていた、除去コマンドでは対処できない『烈火の逆鱗 バドラトス』に強く出られる点で評価されたと思われる。さらに注目したいのは、白の勢力だ。
関東エリア大会では少数派だったダグラーグが、関東エリア大会での優勝や『再来の天使 ペルーゼ』の追加により使用者が増えているのが見受けられる。
またバドラトスの影響によって『審判の天使 マルグレア』や『天助の来光』が輝く場面も多く見られ、上位卓ではバトルで優位を取りやすい白の使用率が高くなっていたようだ。バドラトスを中心にメタゲームが発生し、激動の流れで環境が変化している。
カード使用ランキングも、早い段階で盤面を作れる『花冠精霊 ナルシア』、低コストで相手を切り崩せる『不意の衝撃』『痛み分け』等が人気だった。
そして実際にその目まぐるしく変化するメタゲームを制したデッキが予選通過し、波乱の決勝大会の幕開けとなった。《上位者8名の使用デッキ》
こーでぃ〔G2ffLajYYk〕
すこ〔yN6W0zRUYN〕
たま〔b3Fw1h4CaH〕
HARU〔CbvxSXrzGF〕
こたん〔ICsi4sigzN〕
カワバタ〔hKbwTt6z9P〕
きなこ〔zbNoqIB1i9〕
チョネ〔5tMk5NGmgm〕 -
そして決勝トーナメントへ
変遷する第2弾環境を勝ち抜いた猛者たちが彼らだ。
環境を牛耳っていた『烈火の逆鱗 バドラトス』&『猛焔竜 グラナディガ』の不在。
それとは打って変わって、予選ラウンドでは5人のみだった『審判の神殿』が3名通過しており、関東エリア大会からこんなにも環境が変わるものかと正直、驚きを隠せなかった。【決勝トーナメント1回戦】
ここで印象的だったのは、すこさんときなこさんの白黒マルグレア/審判の神殿の同色、同テリトリー対決。
ミラーマッチということでお互いの手の内も分かったうえでの1手1手が勝敗に左右されるという、手に汗握るコントロールデッキ同士の激戦であった。
EXターンを迎えての長期戦、もうすぐ双方山札切れという状況の中、執念で勝利を収めたのはすこさんの白黒マルグレアだった。【決勝トーナメント2回戦】
2回戦で注目したのは、こーでぃさん(レベッカ)とHARUさん(マーギュリス)の戦いだ。
どちらも除去とリソース確保に長けたデッキだが、マーギュリス側は『瘴気の魔宮』の効果を使ったバトルでの消耗戦をメイン戦術に据えており、
逆にレベッカ側はコマンドや『地下武装庫 アーセナルフォート』での直接的なユニット対処を得意としている。
お互いのユニットがほとんど生き残らない過酷な戦場を制したのは、勘所をコマンドで上手くいなしたレベッカのこーでぃさんであった。【3位決定戦】
黒青マーギュリス対白黒マルグレアの対戦。
どちらも今大会において大躍進を遂げた、メタゲームの勝者と言ってよいデッキだ。
盤面整理と盤面形成、対照的なデッキの勝者は『痛み分け』や相手のユニットへのダメージすらも軽減する等、白のギミックを十全に駆使したマルグレア側となった。 -
【優勝決定戦】
こーでぃさんのデッキは青黒レベッカ、テリトリー『地下武装庫 アーセナルフォート』のデッキ。
『地下武装庫 アーセナルフォート』はドローできればできるだけ強く動ける、とても爽快感のあるテリトリーだ。
半面、コストをどう補うか、どのタイミングでユニット展開し除去するかの判断が重要で、手に取ってみると分かる難しさを併せ持つデッキである。
ダメージ軽減と高い展開力を持つマルグレア相手に、いかにドローソースを引き、固い盤面をこじ開けて詰めきれるがが勝敗を分けそうだ。対して、すこさんのデッキは白黒マルグレア、テリトリー『審判の神殿』のデッキ。
相手の動きに合わせてユニットを展開しつつ、臨機応変にカードをプレイしていく完全なコントロールデッキだ。
環境を意識して、バドラトスのような遅めのデッキに対してより強く動ける構築という印象だが、速い相手にも厚めの3コスト帯『花冠精霊 ナルシア』『呪術師の謀略』で対処可能。
純粋なリソース勝負はドローの量が圧倒的なレベッカには及ばないが、『地下武装庫 アーセナルフォート』やダメージ系コマンドは軽減効果でかなりコントロールできるため、このあたりが勝負の要となるだろう。詳細は動画を配信予定なので、そちらでチェックして貰いたいが、レベッカのこーでぃさんは関係者も舌を巻くほど対マルグレアへのプレイングが研ぎ澄まされており、終始盤面を制御しきって勝利を掴んだ。
こーでぃさんは複数のプレイヤーとの調整を経て今大会に臨んでいたようで、この圧倒的なプレイングの陰には、決勝トーナメント1回戦で激戦の末に敗退した調整仲間のきなこさんの存在も大きかったのではないだろうか。
こーでぃさんの勝利を讃えるチームメイトの姿を見て、TCGの素晴らしさ、奥深さを再確認できたように思う。おめでとう、こーでぃさん! -
最後に
……と言う所で、ディバイドバトル中部エリア大会のレポートは終了。
今回の大会も、朝の気温が氷点下というこの冬一番の冷え込みの中、大勢の参加者が集まったことは、この先のイベントにも希望が持てたと感じている。また、参加者がみな積極的に感染対策に協力していた姿は称えるべき光景だった。
素直にメタゲームの環境が大きく変わる事は、どのデッキにもチャンスがあり、私も1人のプレイヤーとして嬉しい。
今回の大会で満足いくプレイができた人、できなかった人、どちらもTCGというツールと通して一喜一憂している様子はとても有難く刺激的な大会であった。
次回もまた、よかった!楽しめました!と言いたくなるようなイベントの企画・運営を、公式サイドには引き続き期待していこう。
『レディー・ビルドディバイド!』(イベントレポーター:みるめ)